ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
顔のあたりを指先で突っついてみたが、今のところはびくりとも動かない。
ロザンナは腕を組み、難しい顔で胸像を見上げる。
学園の門をくぐったすぐのところにも、カークランドの建国者である一代目の国王の銅像があった。
初代学長の次はアルベルトの祖先に命を奪われる可能性もあるかもと背筋を震わせる。
「どうかしたか?」
不意に声をかけられ、ロザンナは「ひゃあ」と慌てふためく。
「驚かさないでください。アルベルト様」
いつの間にかすぐそばの教室の扉は開いていて、そこからぞろぞろと生徒たちが出てきている。睨めっこをしているうちに授業は終わっていたらしい。
生徒たちから何事だという視線を向けられロザンナは恥ずかしくて顔を赤らめるものの、さっさと用件を済ませなくては姿勢を正し、優雅にお辞儀をしてみせた。
「アルベルト様にお願いがあります。私も一般の授業を受けられるように、お力添えをいただきたきたいのです」
「あぁ。そろそろやって来る頃だろうと思ってた」
頷くアルベルトに、話が早いとロザンナも表情を輝かせる。
「早めに手続きをしないといけないと聞いたのですが。……アルベルト様の空いている時間を教えてくださいませ」
「そうだな。……お互い忙しいだろうし、休憩時間が減っても構わないなら、今行ってしまおうか?」
「本当ですか! 平気です。感謝します」