ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
男に刺されて殺されたことが一度あるものの、その他は、馬に蹴飛ばされたり、魔法の流れ弾に当たったり、上から物が落ちてきたり、食べ物を喉につまらせてなどの不運に見舞われての死である。
危険を回避し、生き伸びたい。誰かを愛し愛されたい。幸せな人生を送りたい!
そう望むからこそ、再び警戒心を膨らませ、ロザンナはあたりをうかがう。どこに死亡理由が転がっているかわからない。
楽士たちによって再び音楽が奏でられ、ロザンナはびくりと体を強張らせる。
アルベルトとマリンのダンスを見るため人々が動き出したため、ロザンナは賑やかさから距離をおくように壁際へと移動する。
楽しそうに踊っている人々をしばらく見つめていると、一緒についてきたルイーズがきょろきょろと室内に視線を走らせ始めたのに気がつき、ロザンナは身構えた。
「お腹すいちゃった。何か食べ物取ってくるけど、ロザンナは何が良い?」
「ありがとう。だけど私は大丈夫。全くお腹空いてないから。気を使って持ってこなくて本当に良いからね」
ロザンナから言い聞かせるように断られ、ルイーズは面食らう。