ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

しかしすぐに「わかった」と返事をし、「食べないなんてもったいないわね」とぼやきながら料理が置かれたテーブルへと歩いて行く。

ロザンナはホッと息をつく。お腹が全く空いていないわけじゃない。しかし、ルイーズが持って来てくれた料理を喉に詰まらせ死亡しているため、とてもじゃないが食べる気になれないのだ。

室内に馬はいないし、この場所なら天井が抜け落ちてこない限り、頭上から何かが降ってくる心配もない。

あとは、楽しくなって魔法を使ってはしゃぎ出すバカが現れないのを願うのみ。

ロザンナが両手の指を組んで祈りを捧げていると、ゆらりと一人の男性が近づいてきた。


「ロザンナさん!」


呼びかけられると同時に小さく叫んで、ロザンナは後ずさる。


「ぼ、ぼ、僕と、踊ってくれませんか?」

「お、踊ってって……私とですか?」

「はい! これまでは、王子の花嫁候補であるあなたに近づいてはいけないと我慢していましたが……お慕いしております! あなたがアカデミーを離れる前に、最後の思い出をどうか僕に!」


熱烈な告白に唇を引きつらせながら、ロザンナはそう言えばと思い出す。

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