ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
「ルイーズも、お疲れ様」
微笑み合いながら、どちらからともなく手すり越しに向かい合う。
「魔法院でいろいろあったみたいね。授業が終わって寮に戻ろうとした時、聖魔法のクラスの女子が話をしているのを聞いたわ」
もう知っているのかと驚いたが、話を広めたのがあの三人だと言うなら納得だ。
治療に奮闘している間、ロザンナは彼女たちの姿を一度も見ていない。遠巻きに見ていただけなら、早めの馬車で学園に戻ってきていてもおかしくない。
ルイーズの顔がどことなくムッとしているのに気付いて、ロザンナは苦笑いする。
「彼女たち私のことで何か言っていたでしょう。例えば妃教育だけしていたら良いのに出しゃばって、とか?」
ルイーズは表情を強張らせた。気まずそうに瞳を揺らしてから、こくりと小さく頷く。
「それだけじゃないわ。父親が宰相だから勝手なことをしても咎められないと思っているとか、女神なんて言われて思い上がってるとか。他にもいろいろ言っていたから、ロザンナのこと何も知らないくせにって悔しくなっちゃって、思わず……」
そこでルイーズが平手打ちの仕草を挟み、ロザンナは「まあ」と自分の頬に手を当てる。