ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

今はどうなっているのだろうか。根拠はないが、あの日よりももっとたくさん咲いているのではという気持ちになっていく。

心の中にもう一度見てみたいという願いが生まれるが、先ほど目にしたふたりの姿が頭に浮かび、叶いそうにもないなと落胆する。

そしてさっきから気になっているのは、冷徹な顔をしたアルベルトとかつて治療した紫色のクリスタルチャームを所持していた騎士団員の眼差しが重なったこと。

あの時彼はアルベルトだったのだろうか。しかし本当にそうだったとしたら、あれは自分だったと既に打ち明けられていてもおかしくない。

隠す理由もないのだからとまで考え、ロザンナはハッとする。


『もう決して関わらないでください。知りすぎてしまったら、助けた相手にあなたが命を狙われます』


言われた瞬間は怖くて仕方なかったのに、すっかり忘れていたゴルドンからの言葉を思い出し、口元を手で覆う。

知られたくないから、あれは自分だったとあえてアルベルトが言わなかった可能性もある。

詮索してその事実に辿り着いてしまったら、十回目の人生はアルベルト手によって終わらされてしまうかもしれない。

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