ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
ロザンナはソファーの肘掛を両手で掴み、一転して絶対にここから離れないと主張する。
アルベルトは立ち上がり、ワゴンを引き寄せてティーポットやティーカップをテーブルの上に移動した。
「私がやります」と声をあげたロザンナへと優しい微笑みと共に軽く首を振って、カップに紅茶を注ぐ。
「召し上がれ」
「ありがとうございます」
ロザンナは差し出されたカップを手に取って、改めて室内見回した。
書棚に並ぶのは専門書ばかりで、魔法薬の本もいくつか見つけられ、ロザンナは数冊借りれないだろうかとぼんやり考える。
「いろいろ思ったのだが、……お前俺のことが嫌いなのか?」
ちょうどカップに口をつけた瞬間、アルベルトにそう切り出され、ロザンナは噴き出しそうになる。
慌ててカップをテーブルのソーサーに戻して、涙目でアルベルトを見た。
「い、いきなり、なんですか? そんな訳ないじゃないですか」
「今の俺への態度だけじゃない。成績や授業態度からして、妃教育に関するものは明らかに力を抜いてる。そんなに俺の嫁になるのが嫌か」