ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
アルベルトの手がロザンナの肩を掴んで器用に体を回転させる。そのまま後ろから押す形で、ロザンナをソファーまで連れ戻した。
フカフカのソファーに座らされてロザンナが眼差しで抗議すると、アルベルトもその隣に腰を降ろしムッと顔をしかめた。
「最近、何かと下手な理由をつけて俺の呼び出しを無視しているようだが、忘れたのか? 試験を受けられるよう計らう代わりとして、俺とした約束を」
そのひと言で、ロザンナは動きを止める。すっかり忘れていたが確かに約束をしている。
彼が問題視している約束事は『妃教育を優先すること』か、それとも『俺と一ヶ月に一回は必ずお茶を飲むこと』の方か。
テストの点数からして妃教育に比重を置いていないのを気づかれていてもおかしくないし、最近ずっと誘いを断っているしで、どちらもという可能性も捨てきれず、ロザンナは頭を抱える。
「前回、ゴルドンの研究室で菓子を食べて、一ヶ月過ぎてしまった。約束が破られたのだから、聖魔法のクラスを辞めさせられても文句はないよな?」
ロザンナは心の中で絶叫する。アルベルトの目は据わっている。本気だ。
「どっ、どうかそれだけは!」
「だったら少し世間話でもしようか……別に嫌なら良いんだぞ。体調がすぐれないと今すぐこの部屋を出て行っても」