ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
最後にもうすぐ馬車が門の前まで迎えにくると告げて、メロディは颯爽とした足取りでこの場を離れていく。
ロザンナは教室に戻り、ルイーズだけに「後で理由を話すから」とこっそり告げて、すぐに教室を出ようとする。
しかし、ロザンナの取り巻きたちが目を輝かせながら行手を塞いだ。
「ロザンナさん、どこに行かれるのですか?」
「もしかして、今のはアルベルト様からの呼び出しですか?」
興奮気味に詰め寄られ、ロザンナは顔を強張らせる。
しかし、このまま取り囲まれてしまったら逃げ出せなくなりそうで、「違うわ」と繰り返し否定しながら彼女たちの間をなんとかすり抜けて、教室を飛び出した。
小走りで廊下を進み、校舎から外にでる。
門のそばには魔法院へ行く際に乗り込んだ馬車と同じものが待機していた。ロザンナが近づくと御者が恭しく頭を下げ、馬車の扉を開ける。
緊張の面持ちで中を覗き込み、誰もいないことに少しばかり残念な気持ちになる。もしかしたら中にアルベルトがいるかもと期待してしまったからだ。
ロザンナは座席に腰を降ろし、不安げに窓の外へ目を向ける。程なくて馬車が動き出し、アカデミーから遠ざかるにつれて不安が掻き立てられていく。