ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

花嫁候補に決定後、アルベルトに会いに城を訪れた際、王妃と顔を合わせて挨拶したことはある。

優しく笑いかけてくれたが、とても緊張したのをロザンナはよく覚えている。

しかもその時、隣にはアルベルトがいて話を繋いでくれたのだが、今回はいない。

メロディの言葉からして、アルベルトの花嫁としてふさわしいかどうか確認したくて呼び出されたのだろう。

ロザンナはこの状況がいまだに信じられず、そこはかとない心細さに自分の体を抱きしめた。

ひとりで大丈夫だろうかと不安だったが、バロウズ城に到着し、真っ先に目の前に現れたのが父のスコットだったことでロザンナは拍子抜けする。


「お父様!」

「あぁ私の可愛いロザンナ。久しぶりだね、元気だったかい」

「えぇ。お父様こそ、元気そうで何よりです」


ぎゅっとロザンナを抱きしめてから、スコットは「こっちだよ」と先導して歩き出す。

城内へ入るとまず目に飛び込んでくるのが、大きな螺旋階段。スコットは慣れた足取りでそれを登り始めるが、ロザンナには緊張が付き纏う。

花嫁候補に選ばれた後、アルベルトとの謁見が許されていたのは一階の部屋だったため、王族のプライベートルームもある上階へ足を踏み入れることは初めてだ。

< 190 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop