ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
「あの様子じゃあ、しばらく扉に張り付いて私たち会話を聞いていそうね」
ぱたりと戸が閉まった後、こっそりと話しかけられロザンナが苦笑いで首肯すると、王妃も楽しげに笑みを深めた。
アカデミーで聖魔法の授業も受けているのよねとの質問から妃教育に関する愚痴まで、紅茶とケーキをお共に王妃のお喋りは止まらない。
話しているうちに緊張も解けて徐々に笑顔が広がっていったロザンナを微笑ましげに見つめながら、王妃は紅茶をひと口飲んでほっと息をつく。
「お人形さんみたいに可愛らしいわ。アルベルトが一目惚れするのも納得ね」
「ひ、一目惚れ、……ですか?」
「えぇそうよ。十二歳の誕生日であなたに会ってから、他の女性はまったく目に入っていないみたい。ロザンナさんと踊った直後、あの子こう言ったのよ。宰相の娘が可愛すぎて、緊張して手が震えたって」
アルベルトの十二歳の誕生日と聞いてロザンナが思い浮かべたのは、真っ白なディックが咲いていたあの場所でひと時だ。
この人生を振り返り、アルベルトの心を変える切っ掛けがあったとしたならきっとそこだろうと考えていたが、続いた意外な言葉に思わず目を大きくさせる。