ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
「アルベルト様がそんなことを?」
「えぇ。それからも、一緒に踊っている他のお嬢さんより、あなたの事を見ていたわ。それまで同年代の異性に対してうんざりしていたあの子がよ」
ロザンナも最初の出会いを思い返す。確かにアルベルトは、どことなくつまらなさそうな様子だった。
「ここだけの話、あの子はあなたを正妃にしたいと思っている。でも、こればかりは自分で決められないから、毎日落ち着かないでしょうね」
王妃はこそっと、しかしロザンナにとっては重大なひと言を投下する。
昨日の執務室で、顔の距離が近づいたあの瞬間が脳裏をよぎり、ロザンナは更に落ち着かない。
「国王、アカデミーの学長、宰相はもちろん力のある臣下も含めて話し合いがされているわ。スコットが頑張ってあなたを推しているけれど……」
王妃は気まずそうな顔をしただけで最後まで言わなかったが、ロザンナには伝わっていた。
現状、花嫁に選ぶにふさわしいのはマリンとされているのだろう。前期の試験結果を考えると当然である。
「他に有力視されてる花嫁候補もいるけれど、私はあの子の母親だから……アルベルトが望む子と結婚して欲しい」