ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
ムッとした顔とトゲのある言い方から、ロザンナはマリンの心の内が見えた気がして、失敗したと眉根を寄せる。
今日の主役は自分たちなのに、それよりも目立っていたロザンナが気に入らないのだろう。
もちろん、ロザンナにそんなつもりはまったくない。むしろ終わりがみえないダンスを苦行だと思って耐えていたくらいである。
しかしそう説明したところで、嫌がらせをされたと不満一杯になっているマリンは納得しないだろう。
「アルベルト王子がお選びになるのはマリン様だと分かっておりましたから、当然の結果として受け止めておりました。それに祝いの場には、暗い顔より明るい笑顔の方が相応しいですわ」
邪魔をした訳ではない。それは分かってもらいたくてロザンナは必死に言葉を並べたが、マリンの表情の曇りを晴らすことはできなかった。
「なぜ、ご自分が選ばれないと分かっていらっしゃったの?」
この人生が九回目なんですと正直に言えるはずもなく、ロザンナは、マリンの冷めた眼差しから目をそらす。
これまで繰り返してきた人生は、ロザンナの選んだ選択によってどれも微妙に異なってはいるが、変わらぬ点もある。