ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
しかも、マリンの口ぶりからその時すでに自分が成績最優秀者だと知っていたようで、アルベルトに褒めてもらったととびきり嬉しそうに報告する。
エレナ以外は、自分の周りにいる顔ぶれが前回とほぼ同じになりつつある。
別な道を進めていたはずなのに強引に軌道修正され、いつもの道へ戻されてしまったような気持ちになっていく。
花嫁に選ばれるのは、やっぱり彼女なのかもしれない。
聖魔法の授業を受けるべく、ロザンナがひとりでぼんやり廊下を歩いていると、ゴルドンとは別の講師に声をかけられた。
厚みのある封書を手渡され、笑顔で説明される。
「二年生への進級に関する手続きの書類が入っています。来年から聖魔法だけに専念できますね。我々は期待していますよ」
反射的に書類を受け取り頭を下げるも、心の中に苦さが広がっていく。
この書類はルイーズはとっくにもらっていたが、ロザンナは花嫁の有力候補だからとまだ渡されていなかったのだ。
書類を渡されたということは花嫁も既に決定済みなのかもと、どうしても考えてしまう。
同時に、教師からあなたは選ばれていないのだと暗示されたようで、ロザンナはしばらくその場から動けなかった。