ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
周囲が結果をわかっていて自分だけが知らないのではと疑心暗鬼になりそうなほど不安がわき上がり、ロザンナは無意識にアルベルトの姿を探す。
彼と話がしたい。その思いに突き動かされて踵を返し、ロザンナは火魔法の教室に向かって歩き出す。
そっと戸口からのぞき込み教室内を見回し、すぐにアルベルトの姿を見つける。
久しぶりに目にしたその姿に胸を熱くさせながら呼びかけようと口を開いたが、声が出なかった。
ぎゅっと唇を引き結び、ロザンナは後ずさり、そして背を向けた。
ここに来るまで、心にかすかな希望を持っていた。彼が想いをぶつけてくれたからこそ、諦められなかったのだ。
しかし、アルベルトの姿を目にして希望は弾け飛んだ。
窓際に佇み物思いに耽っていた彼の顔は、九回目の最後のパーティで見たのと同じく無気質に見えた。
どうなっているか聞きたかったはずなのに、結果を知るのが怖くなる。
廊下の角を曲がると同時に足が止まる。しかしロザンナは歯を食いしばり、涙が溢れ落ちるのを必死に堪えつつ、再び歩き出した。
一日の授業を終えてから、来ないと分かっているのにロザンナの足はアルベルトの執務室へ向かう。