ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
途端、リオネルは大きく目を見開いて、赤らんだ顔を勢いよく逸らした。
「えっ……あぁ、ごめんごめん。ええと、回復薬だったね」
手をかざし、ガラスを通して試験管の中身の液体濃度をしっかり確認した後、リオネルが微笑んで頷く。
「さすがロザンナさん。うまく配分調整できてる。このまま診療で使っても問題ないんじゃないかな」
「やったぁ!」
合格の言葉が嬉しくて、ロザンナは試験管を持ったリオネルの手を包み込むように両手でギュッと握りしめた。
そのまま身を翻して書棚へと向かい、そこから本を一冊引き抜いてから、慌ただしくリオネルの元へ舞い戻る。
「次はどの魔法薬の作り方を教えてくれますか?」
そわそわしながらのロザンナのお願いにリオネルはさらに顔を赤くし、思わず試験管を取り落としそうになる。
「えぇと、そうですね。……それでは毒消しなんてどうでしょう」
「毒消し!」
目を輝かせてパラパラとページをめくり出したロザンナへと、リオネルは緊張気味に近づき、本と愛らしい横顔を交互に目を向ける。
しかし、小さく響いた咳払いに視線を上げ、勢いよくロザンナと距離を取った。