ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

気乗りしないながらのゴルドンの問いかけにふたりは一斉に反応し、「痴話喧嘩ですか」という呆れ声にも「違う」、「違います」と声を揃えた。

「まぁまぁ」と宥めつつ、目についたロザンナの回復薬へとゴルドンは歩み寄る。


「少しばかり顔を見ませんでしたが、ぼんやりしていた訳ではなさそうですね」


先の二人と同じように試験管を手に持って感想を述べた後、「上出来です」と褒め言葉を加える。

ロザンナは隣に立っているアルベルトへと嬉しさいっぱいに笑いかけたのち、テーブルに置いておいた魔法薬の書物を両手でつかみ取った。


「今日の診察が終わってゴルドンさんの手が空くまで、リオネルに魔法薬の続きを教えてもらいます。お父様に言われたらまたしばらく来られなくなるかもしれないし、今のうちにやれるだけやっておかないと」


アルベルトの眉が不機嫌にしかめられた。その様子にゴルドンは苦笑し、今にでも部屋を飛び出して行きそうなロザンナを「待って待って」と呼び止める。


「きっともうここに来るのを止められることはありませんよ。宰相殿の心はアルベルト様と俺でうまく掴んでおきましたから」

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