愛は惜しみなく与う⑥

あたしの誕生日の日に、冬馬として現れたサトルに言われたこと。


壊すにはまだ知らなさすぎる。そう言われた


それの中にきっと、鈴が生きてることや、鈴とサトルが手を組んでたこと。どこからが仕組まれたことで、これからどうなるのか。

サトルはきっとあたしに、それらを知って、絶望して欲しかったはずや


絶望したよ
苦しかったよ

でもな

向き合う力をくれる人達がいるねん



「ほぉ……随分しっかりした顔つきだな。まぁいい。そこの邪魔者も仕方ないから追い出さずに居てやるよ。座れよ」


サトルは特にあたしたちが来たことに驚きもしていないのか、ポツンと置いてあるソファを指さした


でも座らない


「いい、立ってる」


「あ、そう。それなら別にいい。俺は座らせてもらう」


あたしたちの近くに来て、すぐそばのソファに座った



泉はあたしをサトルから引き離すように、間合いをとった



「おいおい、話に来たんだろ?そんな警戒されちゃ、こっちも手が出そうだ」


ニヤリと笑ったサトルは、ソファのどこからか、ナイフを取り出す
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