愛は惜しみなく与う⑥
そのスピードは異様に早かった

ここはサトルの部屋
何か武器が隠してある覚悟もしてた。サトルに有利なのも分かってる。

でもサトルは、ここであたしをどうこうしたい訳じゃないから


そして、あたしの心の中で引っかかったことを聞いてみる。この部屋で写真を見た時に、少し思い出したんや




「あの時、あのバルコニーにいたん、あんたなん?」



鈴の14の誕生日
あたしは控えめなドレスを着させられて、いつも通り来賓の席に座っていた。


元々毎年ダンスパーティーで抜け出してたけど、ここ数年、出入りが厳重になって、抜け出せなかったから、バルコニーから飛び降りてた。


やからパーティーが始まる前に、バルコニーへ出れる場所の鍵を、志木に借りて開けておいて、ダンスパーティーでみんな夢中な時に、そっとバルコニーに行って、そこから外に出た



これはあたしの、鈴の誕生日会での毎年の動き


ほんでな、あたし、記憶力はええねん。


サトルの部屋にあった写真のあたしは、鈴の14歳の誕生日の時のあたしで、そして、バルコニーから飛び降りるときの写真
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