愛は惜しみなく与う⑥
サトルが立ち上がったことにも、近づいてきたことに対しても反応が遅れた。


「あ、りがと」


泉にそういうのが精一杯やった。
あたしはサトルとあの時に出会ってたん?



「ま、出会いを思い出してくれたからそれでいいや。で、何を話しにきた?わざわざここに来たのは、何か知りたいからだろ?お前が聞くなら答えてやるよ。なんでも。でもそうだな……」


サトルはグルリと部屋を見渡してあたしに視線を合わせた



「やっぱり2人なら話してやる。その男は邪魔。さぁ、どうする?」


ニヤニヤと笑うサトルは、鈴を犯していた時と同じ顔をしている。
あの時の…男とサトルが全く被らへん


「……2人はダメだ。俺がいたら都合が悪いのか?」

「いや、割とプライベートだからなぁ〜。他の奴に聞かれたくないんだよ。この思い出は、杏と俺の二人の思い出だから」



狂ってる


完璧に目が逝ってる


あたしとの思い出?ふざけんなよ
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