クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
 私は、あの鍾乳洞でライアンに熱く抱き締められて、口付けられて、天にも昇るくらい嬉しかった。そして彼に愛される喜びに震えながら、この先の人生を彼と共に歩んでゆくことを決めたのだ。
 だからそう、私はなにを思い悩む必要もない。ただ、彼を愛する自分の気持ちにだけ、正直であればいい。
 胸に下がるペンダントが、私を後押しするように再びふわりと熱を帯びたように感じた。私は強張っていた頬を緩めると、大切なそれを一度キュッと握り締め、着替えのために立ち上がった。

***

 その日の晩。
 湯を浴びて芳しい石鹸の香りを漂わせるマリアと居間のソファで並び、サラサラの金髪を梳いてみたり、夜着から覗くきめ細やかな肌を撫でこ撫でこしてみたりと、就寝前の寛いだひと時を過ごしていた。
「ふふふっ、そんなところをツンツンしちゃいやぁよ。もう、ライアンったら赤ちゃんでもないのに。本当に大きな甘えんぼさんね。めっ」
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