クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
 一気に冷静さが舞い戻り、現状で取り得る最善の道筋が浮かぶ。
「すみません、私はもう大丈夫です! それから、どうか手伝っていただけませんか!?」
「え?」
 支えてくれていた女性に、私は必死で言い募る。
 近隣住民らは近くの消火栓から放水をしているが、火の勢いに対し、圧倒的に水量が足りていない。消火にはもっと多くの水がいる――! 
「隣のお宅の池から、水を汲ませてもらえないか頼んでみます!」
 今まさに燃え盛る室内で救助を進めるライアンに対し、即効性のある助けとはならないかもしれない。だけど、手をこまねいて震えているのなら、足掻いてみた方がずっといい!
「それを手の空いた皆さんで汲み取って運び、消火にあてたいと思います!」
 整備された池の水を汲んでしまうのは忍びない。水がなくなれば、もしかすると美しい花をつけている水草は枯れてしまうかもしれない。
 だけど延焼を抑えきれず、隣家にまで火が回ってしまえば、そもそも池どうこうの話では済まなくなる。
 今は消火作業が、第一優先だ!
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