クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
「無理をしては駄目よ、ライアン。今夜のあなたは救助活動で消耗している。だからあなたのお願いも、明日に延期をしましょう」
 必死で言い募ろうとする俺の額に、マリアがちっとも痛くないゲンコを落とす。可愛すぎる「こつん」の衝撃にパチパチと目をしばたたく。
「私とあなたは夫婦だから毎日一緒にいられる。だから今日は無理をせずに、すぐに休みましょう。これはあなたの健康を守るためよ」
 ――ちゅっ。
 グハァアッ! 俺は可愛すぎる「こつん」と、もっともっと可愛い「ちゅっ」の二連コンボにノックアウトした。
 嫋やかな指先がそんな俺の頬をそっと挟み込んだと思ったら、額と額がコツンと合わさる。
「もちろん代わりに明日は、目いっぱい協力させてもらうから。ね? いい子だから聞き分けてちょうだい」
 極めつけの一言に、紳士も俺も甘んじて彼女の前にひれ伏す。
 クゥウ~ンッ! 荒らぶる獣とて、彼女の手に掛かれば一瞬で飼い猫の如き「いい子」に変わる。
「さ、寝室に行って休みましょう」
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