クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる

***

 ……なんて大きくて、逞しい手なんだろう。その手に包み込まれた瞬間、私は心がかつてない安心感で満たされていくのを感じた。
 同時に、そわそわとした落ち着かなさも覚えていた。
「ではライアン、さっそく修繕が必要な箇所を案内します」
「あぁ、頼む」
 高ぶる心にグッと蓋をして平常心を装うと、私はさっそくライアンを居住棟に伴った。
「ほぅ。かなり傷んでいるが、まぁ問題ないだろう」
 修繕箇所を検分するライアンに目線を向ければ、その精悍な横顔にドクンと鼓動が跳ねた。
 だけど、こんなにも胸が騒ぐのは、決してその美貌ばかりが理由ではない。
「よかった。けれどなにぶん古い建物ですから、他も似たり寄ったりの状況で……」
「ははっ! それは修繕のし甲斐があるな。なに、俺たちに任せてくれ」
「そのようにおっしゃっていただけて、本当に救われます。では、次はこちらです」
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