クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
「俺は後続船のリーダーと合流してから向かう。すまないが、先に行ってくれ。ではな」
 ライアンはこんなふうに言い残すと、私の答えを待たずに、港に続く方角に駆けて行ってしまった。
「あ、マリアじゃないか!」
「カーラ」
 ライアンが行ってすぐに、広場に向かうカ―ラとバッタリと行き合った。
「どこに行ってたんだよ? あの後、あたしも畑に向かったんだけど、姿が見えなくて心配したよ」
「ごめんなさい。実は、修道院長の指示で騎士団長さんに居住棟の修繕箇所を案内していたのよ」
「へー! そうだったのか! なぁマリア、騎士団長っていい男だったか!?」
「そうね、周囲への配慮ができる素敵な方だったわ」
 ……おそらくライアンは、私に気を遣って広場に到着する前に別行動を取った。彼は身分や地位、さらに男性としての魅力も備えている。
 それを彼自身も自覚しているのだ。そうして彼は、自分が一緒にいることで周囲が騒がしくなることもまた、把握しているのだろう。自分が周囲に及ぼす影響力をよく理解し、行き届いた配慮を見せる大人の男性だ……。
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