クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
「……もう、いつまで笑ってるんですか。私、そんなにおかしなことを言ったでしょうか?」
 一向に笑いの発作が治まらないライアンに、ぷぅっと頬を膨らませる。
「ははっ。すまん。だが、君があんまり可愛いことを言うから悪い」
 ……え。
 クツクツと肩を揺らしながらライアンがこぼした「可愛い」のひと言が、頭の中で反響していた。これまで異性から……いや、母を含めた同性からだって「可愛い」なんて言われたことはなかった。
「ん? どうかしたか?」
 ポカンと固まってしまった私に、ライアンが訝しげに問いかけた。
「い、いえ。お世辞でも『可愛い』だなんて言われたのは初めてで、ちょっと動揺してしまいました」
「初めてだと? こんなに可愛い君を前にして、他の者はなにをやっているんだ。君の周囲の者は相当に見る目がないぞ。……いや、これはむしろ、今まで悪い虫が寄って来なかったことを喜ぶべきか」
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