クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
「はははっ! さすがに魔法の手は持っていない。だが、人よりも器用な手は持っているかもしれん。意外に思われるが、騎士は物作りにも精通しているんだ。野営での住居確保の他、日頃から武具の修理や修繕といった作業は全て自身で熟すからな。むろん専門家には及ばんが、簡単な大工仕事なら、騎士ならば誰でもできる。折よく、修繕用に持参していた材料もあったしな」
「なんとお礼を言ったらいいのか……。修繕作業で来ていただいているのに、依頼になかったこんな素晴らしい物まで作っていただいて」
「言ったろう? 物事は効率的に進めるべきだと。俺たちという働き手があるんだから、これを有効に使わない手はない。持ってきていた工具や木材だって同じだ」
 胸にライアンへの尊敬が募る。
 それは敬愛する主に抱く感情に、少し似ている。だけど、主に対する清流のように静かな思いとは比較にならぬほど、ライアンへの思いは熱く私の心を揺さぶる。
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