クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
 セオリー通りにいくならば、体温を奪う、濡れた着衣は全て取り払うべきだった。俺も一度は、彼女の肌を覆う上下の肌着に手を伸ばしたのだが、触れる前に思い直して手を引いた。
 ……そこまでしなくとも、これから俺が体温を分けてやれば、彼女が凍えることもないな。なにより、彼女は俺の未来の妻だ。
 ここで焦らずとも彼女の肌着に手を掛けるのは、婚姻の誓いを結んだ夜でいい……。頬を紅潮させて、身も心も俺を求める新妻のマリアを真白い敷布に沈めるのだ。そうして絹のネグリジェをはだけさせ、胸あてをずらし、まろび出た柔らかな双丘に顔を埋め――。
 ……いや、待てよ。
 果たして初夜の床を待つ新妻は、胸あてをつけているのか? もしかすると、絹のネグリジェをはだけさせると、直接真白い双丘がこぼれ出て……。
 この瞬間、俺の脳内で束の間の妄想劇が展開される――。

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