クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
 だけど今ならば、もっと違った関係が築けたのかもしれない……。
 ……お母さん。あなたは今、日々なにを思って過ごしていますか? たまには私のことを、思い出してくれていますか――。
 私の問いかけに答えるように、母は腕の中の私をギューッと抱き締めた。赤ん坊の私は、体中でお母さんの温もりと優しさを感じながら、心地よい眠りの世界へと旅立っていった。

 ――母の腕に抱かれ、赤ん坊の私が寝入ると、入れ替わるように”私”の意識が浮上する。
 ……ん。
 目覚めてまず、感じたのは心地よさ。全身をすっぽりと包み込む温かななにかは、修道院の布団とは段違いに、しっくりと肌に馴染んだ。
 弾力に富んで、温かい。……これは、なにかしら?
 こんなに清々しい朝を迎えるのは久しぶりだった。頬の緩みを自覚しながら、ゆっくりと瞼を開いた。
「起きたのか?」
「……え?」
 っ! 一拍の間を置いて状況を理解した瞬間、バクバクと心臓が鳴り、全身に震えが駆け抜けた。
「きゃぁあああああ――っ!!」
 喉からは、勝手に悲鳴が迸った。
「どうした!?」
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