クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
 ライアンは、反射的に私を抱く腕に力を篭めて、周囲に視線を巡らせる。異常がないと判断するや、真剣そのものの表情で私を覗き込んで問いかけた。
 だけどこの時、私はとてもまともに答えられる状態じゃなかった。素肌のまま、同じように一糸纏わぬ裸体のライアンに抱かれている。
 ……修道女になろうとしている身で、異性と触れ合うことはご法度。これを破れば、修道女への道は断たれる――。

◇◇◇

 一年前、十五歳になった年に、同年の修道女見習いが一堂に集められ、修道院長から修道女になるための心得を説かれた。
 私は前列で耳を傾けていた。
「最後に、修道女を志す皆さんに最も重要なことを申します。異性と素肌を合わせたら、修道女にはなれません。この意味がわかりますね? ただし私は、その行為自体を否定するつもりはありません。それは単に、主への敬愛を越える愛を、他に見つけたというだけのこと。その男性と夫婦になり、生涯を共にしたらよろしいでしょう。とはいえ、主に永遠を捧げることを放棄したのですから、その時は即刻ここを出て行っていただきます」
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