クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
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「――すでに、ふたりの意思は固まっています。俺はマリアと結婚します」
俺が昨夜からの状況と結婚の意思を告げた瞬間、修道院長の体が傾いだ。
「大丈夫ですか!?」
マリアが咄嗟に、修道院長を支えようと手を伸ばす。しかし修道院長は、マリアの手を避けて、横の机に手を突いてふらつく体を支えた。
マリアは、取られること無く宙に浮いた自分の手を、引くこともできずに、呆然と見つめていた。修道院長の前にあって、俺はそんな彼女の横顔を、ただ見つめることしかできなかった。
彼女と一夜を明かした鍾乳洞で結婚を誓い、初めての口付けを交わした後、俺たちはすぐに修道院を目指して出発した。今日は昨夜とは打って変わり、まるで俺たちを祝福するかのような晴天の空が広がっていた。鍾乳洞を出て、数時間の道程を経て帰り着いた修道院では、皆が俺たちの無事の帰還に沸きかえった。さらに周囲は俺たちの身を案じ、しきりに休息を促してくれた。
しかし俺たちは、それらの声を振り切って、真っ直ぐに院長室を目指した。そうして、冒頭の台詞へと繋がる。