一生ものの恋をあなたと
昨日、櫂人も言ってただろう?
俺達の長男は聖くんなんだ。
あのカタブツがいる限り、坂上家だけじゃなく、長谷川家までも清く正しく生きてきたんだ。
蓮だってもうわかるだろう?
俺達の上下関係。
聖と雅が家長みたいなもんなんだ。」

それはわかる。
そこの上下関係は理解している。
同意の意味で、コクコクと頷いた。
でも…。

「…フってないです。」

「まあ、愛的にフラれたと思っているだろう?」

「……。」

どちらかというと、俺がフラれたような気がするが…。
いや、違う。
そこも確かめないと。
あの時、何が起こったのか、本当のところはわかってない。


「それと…
今後は気を付けろ。

朝倉会長が言う通りだ。
ハニートラップはそこら中に転がってる。
もう、散々頭を打ったと思うよ?
でも、念には念を、だ。

蓮もいずれは朝倉に入る。
そうすれば、朝倉の名前に釣られた女豹が群がってくるだろう。
絶対に隙を見せるな。
影も踏ませるな。
お前が、誘惑に負けることはきっとないと信じてる。
でもな、罠に引っかかる可能性はゼロじゃないんだ。」

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