一生ものの恋をあなたと
なんのこと⁇
生意気なこと言ったのは私で、
謝られる意味がわからない。

「信者だって知らなかった。
悪く言って…その、すまない…。」

「…え、もしかして、そのために待っててくれたの?」

「……。」

びっくりだ。
余計なこと言った自覚はあったけど、まさか謝られるなんて。

学ランの校章の台紙が青。
と言う事は、高3か。
学年ごとに台紙の色が変わる。
高3は青。
高2は緑。
高1が赤だ。
さっきの言い分から、高校入学組だとわかる。
この学園では、幼稚園、小学部から持ち上がりの内部生が殆どの中、高校から一クラス分、生徒を取る。
その偏差値は高く、高校入学組のF組が学校の偏差値をグッと上げていると言って過言ではない。
この人は間違いなく、高3F組だろう。
私が見たことないんだもの。
基本的に、内部生同士は同じクラスになったことがなくても面識がある。
ひょろっと背が高く、黒いサラサラの髪に細いフレームの眼鏡がインテリジェンスを感じさせる。
でも…少し気難しそう。

そんな人が謝ってきたから、尚のこと、驚いてしまった。

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