鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
どういうことかというと、鬼畜によってご丁寧にも、下着は洗濯・乾燥済みだったお陰で、自分のものを身につけることは、できているけれど。
でも、その下着だって、わざわざ洗濯してくれなくとも良かったのだ。
眠ってる間に、男性、しかも鬼畜に、下着の洗濯までしてもらってたなんて、考えただけでも恥ずかしい。
スーツだって、起きた時には既にクリーニングに出されてしまってて、すぐに帰りたくても帰ることだってできなかったし。
鬼畜は長身だから、脚だって腹立つくらい長くて、サイズが全然合わないから、だから、仕方なくこういう格好をせざるを得なかったのだ。
よくよく考えているうち、結局は全部鬼畜の所為だということに、思考がやっと行きついた私が、
「なっ……何が、『僕を誘ってるんですか?』よ? もとはと言えば、あんたが私のスーツを勝手にクリーニングに出しちゃったのが原因じゃないのよっ! もう、ヤダッ! 離してっ!」
後ろから私のことを逃さないとでもいうように、力強く抱きしめたまま一向に離す気配のない鬼畜のことを、なんとかして、振り向き様に振り払おうとした私の身体は。
当然のことながら、鬼畜によって、呆気なく簡単に、まるで赤子の手をひねるようにして制されてしまっていて。
挙句の果てには、アイランドキッチンの上へと背中から押し倒されてしまっている有様だ。
鬼畜は、押し倒した私のことを、眼鏡越しに、あの冷たい眼差しで冷ややかに見下ろしながらに、
「侑李さんと一緒に過ごすのが楽しくて、侑李さんのことを帰したくなかったからだ……って、僕が言ったら、侑李さんはどうしますか?」
相も変わらず感情の読み取れない無表情を決め込んだまま、あたかも私の気持ちを試すような言葉を放ってきた。