鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
漸く、鬼畜の放った言葉の意図が掴めたのはいいけれど、それと同時に、もしも私が鬼畜に対して、何か特別な感情を抱いてしまったところで、それが報われることなんて皆無に等しい。
それどころか、もしそんな感情を抱いてしまったら最後、お役御免ということなんだろう。
それを思い知ってしまった私の胸が切ないくらいに軋んで、立て続けにギュッと何かに、躊躇なく強い力で鷲掴みされてしまったかのような鋭い痛みに襲われた。
――ないないないッ! ないったらないッ!
これは全部、鬼畜とあんな関係になちゃって、妙に意識してるから、錯覚を起こしてしまってるんであって、鬼畜のことを好きになったとかそういうことじゃないんだからッ!
次に込み上げてきたのは、そんなふうに誤解させるようなまどろっこしい遠回しで思わせぶりな言い方をしてきた鬼畜に対しての怒りだった。
「どっ、どうもしないわよッ! するワケないでしょっ? あんたのことなんて大っ嫌いなんだからッ! バッカじゃないの? 意味わかんない。『業務命令』だから帰るなって言えば済むことじゃない。わざわざそんなまだるっこしいことして確認する必要ないじゃないッ!」
怒りのボルテージがどんどん加速する中、怒りに任せて放った私の言葉を聞き届けた鬼畜が、ハッとしたような表情を浮かべたかと思った次の瞬間には。