鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
 ――なっ……何が『侑李さんはズルいですね?』よっ! あんたのほうがよっぽどズルいじゃないのよ! 

 『僕でしか満たせないようにしようと思っていたのに』なんて、そんなこと言ってくるなんて、本当にズルい。

 どうせ今までだって、割り切った身体だけの関係だった女性にだって、そういうこと平気で言ってたんでしょ?

 鬼畜にとったら、ただの常套句、こういう場面で相手の女性に対しての礼儀だったり、リップサービスなんでしょうけど、きっと鬼畜の言葉に本気になっちゃう女性だっていたんじゃないだろうか……。

 ――この、根っからの女っタラシッ! すけこましっ! 

 鬼畜に不意討ちで喰らってしまった言葉のお陰で、どういう訳だか、頭に妙なものが浮上してきてしまって。

 実際のところ、鬼畜がそういうことを言っていたのかも、鬼畜の言葉を本気にした女性が本当に存在したのかどうか知りもしないクセに……。

 ついさっきときめいてしまった自分と、その想像上の女性の姿とを勝手に重ねてしまい、身体の奥底からはふつふつと怒りまで込み上げてきた。
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