鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
 怒り心頭になってしまった私は、私のことをギュッと強く抱きしめている鬼畜めがけて、その怒りをぶつけるべく。

「……ちょっ――」

 『ちょっと、離しなさいよッ!』そう言い放って、鬼畜の逞しい胸を押し返してやろうと思っていたのに……。

 鬼畜によって、胸を押し返そうとした私の両手を簡単に拘束されてしまった挙句に、私の放とうとした言葉にかぶせ気味に。

「またそうやって、僕にキスをしようとする。本当に侑李さんはズルすぎますっ。僕のことをどこまで煽ったら気が済むんですか?」

 一体何を勘違いしてしまったのか、相変わらずなにやら余裕なさげに苦し気な声で、そんな訳の分からないことをほざいてきた鬼畜。

 けれどもそのお陰で、そういえば昨夜、酔っていた所為で血迷ってしまってたらしい私が鬼畜の首に両腕を絡ませて、自分からキスをしてしまったんだっけ、と、私がそのことを思い出した時には、もう、鬼畜によって深く口づけられてしまってて。

「……あっ……ちょっ……んん――ッ!?」

 『ちょっと何勘違いしちゃってんの? 待ちなさいよっ!』というつもりだった私の言葉は、跡形なく飲み込まれてしまった後だった。

 勘違いしている所為だろうか、余裕なく放った鬼畜の言葉通り、明らかに興奮してしまってるご様子で、鬼畜のキスは、どんどん激しさを増してゆく。
< 125 / 619 >

この作品をシェア

pagetop