鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
鬼畜の情熱的な熱いキスに翻弄され蕩けかけた頭の片隅で……
ただ”恋人のフリ”をしているだけなのに、どうして、イチイチ思わせぶりなセリフなんて吐いたりするの? どうして、こんなにも情熱的な熱いキスなんかしたりするの?
――どうして、本当の恋人でも何でもない私のことを、こんなにも惑わせたりするの?
金曜日の夜、酔い潰れてしまった私のことを冷たい眼差しで見下ろしていたはずの鬼畜の瞳が、徐々に熱を帯びて、いつしかとても柔らかな甘やかなモノにすり替わっていて。
鬼畜と一緒に過ごす時間の中で、徐々にすり替えられてしまった自分の心情とが重なって、自分の気持ちを認めることが怖いクセに、妙な期待は胸の中で勝手にどんどん膨らんでゆく。
でもその一方では……
これは、きっとそういうプレイを愉しんでるだけで、飽きたら簡単にポイッとゴミくずのように捨てられてしまうんだろう。
所詮は、お金で買われてしまっている身だ。それくらいにしか思われていないんだろうし。
自分に嫌悪感しか抱いていなかった女が物珍しくて、あの手この手でその気にさせておいて、好きにさせたらゲームオーバー……。
そんなモノが浮かんできて、情熱的な熱いキスのお陰で微かに潤みを帯びていた目尻からは涙の雫が一粒だけ零れ落ちてゆく。
気を抜いたら泣き出してしまいそうだ。
これ以上余計なことを考えないようにするためにも、キスに集中しようとしかけたところで、視界の片隅に人影らしきものを捉えた私は、慌てて鬼畜の逞しい胸を精一杯の力で押しやった。