鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

「いやぁ、お騒がせしてしまい、本当にすみませんでした」
「もう、信じらんないっ! 普通、そんな早とちりなんてするッ!? スマホに何度かけても繋がんないし。私がどんなに心配したと思ってんのよッ!」
「まぁ、まぁ、侑李さん。病院ですし、その辺で許して差し上げましょうよ? 侑磨さんも悪気はなかったんですから」
「そんなの当然ですッ!」
「侑李、お前が怒る気持ちも分かるが、この通り侑磨も反省してるんだ。その辺で許してやりなさい」
「お父さんは、また、そうやってお兄ちゃんを甘やかす。そんなんだからいつまで経っても半人前なのよッ!」
「はっ!? 誰が『半人前』だって?!」
「こらっ、二人ともいい加減にしろッ!」

 これは一体どういう状況なのかというと……。

 あの後、飽きることなく優しい声をかけつつ見守ってくれてた鬼畜のお陰と、今まで溜まりにたまってしまっていた色んな感情を涙と一緒に吐き出したお陰とで。

 なんとか落ち着きを取り戻すことのできた私は、兄に電話を何度も掛け直したのだけれど、充電が切れているのか、結局父が入院中の光石総合病院に到着するまで一度も繋がることはなかった。

 けれども驚くことに、光石総合病院が奇遇にも鬼畜が二歳の頃に亡くなったという父親のご実家が経営されているということで、鬼畜が、院長を務める従兄とやらにすぐに連絡を取ってくれた結果。
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