鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
本人である私を置き去りにしてどんどん先へと進んでいってしまいそうだった鬼畜との結婚話も、意外にも鬼畜のお陰で一件落着となって。
相変わらず、どっからどう見ても王子様のような御曹司にしか見えない、好青年の皮を被った鬼畜と、すっかりその僕《しもべ》と化してしまった父や兄は、和やかムードに包まれている。
あれから話題は、父の病状のことだったり、私の子供の頃の話だったりしたのが、いつしか鬼畜の話へと移り変わっていて。
鬼畜の父親が二歳の頃に飛行機事故で亡くなっていること。この病院を父親の実家が経営していることや、祖父母が隠居されてから旅行三昧だということ。
母親の麗子さんにフランス人の恋人が居ること。兄の要さんが十歳違いの若い、私の後輩と昨年末に結婚して、もうすぐ出産間近であること。
そして、現在の会長の職には母親である麗子さんが、兄の要さんが社長に就任し、自身も副社長に就任してまだ日が浅いこと。
つい先日には、私が副社長である自身の第二秘書になったことで、仕事がずいぶん捗るようになって、とても心強く、仕事の合間の癒しになっている、などなど……。
一応、自分の恋人ということになっている私のことを家族の前だから立てなきゃいけないと思ったのだろう、鬼畜が、とってつけたような、少々大袈裟なオベンチャラを交えつつ、父や兄に話していたのだが……。