鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 その話の合間で、さっきまで鬼畜の話に熱心に耳を傾けていた父が、たった今思い出したっていうように唐突に、えらく昔のことを持ち出してきて。

「あぁ、そういえば、隼さんのお祖父様である先代の会長さんが現役の頃には、よくうちの料亭にお越しいただいてたそうですねぇ? 
その頃私は、まだ板場の方にかかりきりで、直接お会いしたことはなかったのですが。

お見えになるたびに、『お孫さんにどうぞ』そういって、よくチョコレートをいただいておりましてねぇ……。侑磨も侑李も、それをえらく楽しみにしていたのを記憶しております。

それが……まさか、このような縁があったとは。なんとも不思議なものですねぇ」

 年甲斐もなく運命めいたものを感じてしまっているらしい父が感極まって、すっかり乾いてしまっていた目尻の皺にまたまた涙を滲ませ、涙ぐんでいる姿を。

 やれやれというように眺めていた私が子供の頃の記憶を辿り寄せれば、確かにそんな記憶が微かに残っていて。

 ――そういえば、よく祖父から『YAMATO』のチョコレートを貰ってたような気がする。へぇ、そうだったんだぁ……。
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