鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
私だって、昔ばなしに花を咲かせている楽しそうなすずと結城君の姿を見ていると、懐かしいし、楽しくもある。
それなのに。急に彼氏ができた、なんてことを私が言ったりなんかしちゃったら、自意識過剰みたいだし、場の空気をしらけさせてしまうだけだろうから、今話さなくてもいいか。
……以上のことから、結局、隼のことは言い出せずにいたのだった。
料理も一通り食べ終えて、デザートを食べていると、料理をSNSにアップするために円卓に置いてあったすずのスマートフォンがブルブルと震えだして。
「あっ、ごめん。彼からだ」
どうやら付き合って二カ月ほどになると言ってた彼氏からメッセージが届いたようで。すずが手にしたスマホの画面をタップし確認し始めた。
すずの姿を視界の隅に捉えつつ、デザートの最後の一口を頬張った私は、『良かった。これでお開きになる』なんて。
ホッと安堵の息をこっそりと漏らして、スプーンを容器に戻した私が膝上に手を乗せた時のことだった。
隣の結城君が動く気配を感じた時には、結城君の大きな手によって私の手が包まれていて。
ビックリした私が結城君の顔に視線を投げると、そこには真剣な表情をした結城君の姿が待ち受けていた。