鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
結城君は、振り払おうとする私の手を包む手に、ぎゅっと力を籠めてきて。まるで逃さないとでも言うように手を掴んでくる。
そうして熱の籠ったような強い眼差しで真っ直ぐに射抜くようにして私のことを見つめてきた。
私は、隼によく似た結城君の薄茶色の綺麗な瞳に、魅入られてしまったように、身動ぎも瞬きさえもできなくなってしまい。
そんな私の視界の中で、甘やかな微笑を浮かべた結城君が耳元にそうっと顔を近づけてくると。
途端に、胸の鼓動がドクドクと嫌な音を立て始めた。
「高梨さん、この近くに雰囲気のいいバーがあるんだけど。この後、良かったら付き合ってくれないかな?」
やっぱりどこか隼に似た、微笑と同じように甘やかな声音で、囁きかけるように言われ。
危うく、そのまま頷きそうになったところに、
「侑李も結城君も、な~に二人だけの世界に入っちゃってるのッ」
すずのからかいの声が割り込むように飛び込んできて。
驚きのあまり、ビクッと肩を跳ね上げてしまった私は、危うく頓狂な声を放ちそうになったが、すんでのところで堪えることができたのだった。