鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
お陰で、正気を取り戻した私は、すずに気づかれないように結城君の手を振り払い。
高鳴ってしまった鼓動と、いくら隼に似てるからって、流されそうになってしまった自分に戸惑いつつも、なんとかすずに返事を返すこともできたのだった。
「……ば、バッカじゃないの? そんな訳ないしッ! それより、すず、彼氏なんだって?」
「うん。迎えどうしようかって訊いてくれたんだけどーー」
すずの話に耳を傾けつつも、それとなく隣の結城君の様子を窺ってみると。
腹の立つくらいしれしれっとした表情で私たちのことを眺めていて。
私と視線が合うとニッコリと微笑みかけてきた。
その姿に、高鳴った鼓動もまだおさまりきらない胸がざわざわとざわついてしまい。
あれから十年も経っているのに、再会した結城君が隼の雰囲気に似てるってだけで、こんなにも心を乱されている自分に驚くと同時に、隼への罪悪感から胸がツキンと痛んだ。