鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
翌日に隼から、一千万のことも、老舗高級ホテルの宿泊プランなど様々な特典を盛り込んだ、クラウドファンディングでの目標額を達成したこと。
『橘』の経営の方も、外国人の観光客をターゲットにした『女将体験コース』や、主婦層をターゲットにした『板前料理体験コース』や『出張板前コース』等など……。
そういった体験型プランが好評らしく、目処が立ってきたということで、私の不安材料は隼のお陰でなんとか払拭できたのだった。
それに加えて、兄の様子から何かを察した入院中の父から、カマをかけられすべてをゲロってしまった兄。
驚くことに、自分に何かあったときのためにと、母の生命保険を兄や私にも内緒で定期預金にしていたらしい父から、ニ千万を託されたらしく。
そのうちの一千万を隼との結婚資金に使うように、と父からことづかってきて、私と隼にも頭を下げて謝罪してきた兄。
まぁ、それは、今後何かあった時のためにと全額貯金に回したのだけれど。
そんなこともあって、胸のざわつきもスッカリと落ち着きを取り戻すことができていた。
なら、"あんなこと”にはなっていなかった、というのはどういうことかというと……。
それは、結城君と再会した日から、ちょうど一ヶ月後の六月に入ったばかりのことだった。
週末の金曜日。
いつものように外での夕食を済ませて、隼のマンションのダイニングソファで隼とワインを味わいつつ寛いでいた時のこと。