鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
まだ、付き合いだして一月ほどだから、結婚とか言われてもまだピンとこない。
それに、付き合うようになったきっかけが、普通じゃなかったから、ちゃんと相談し合って、こういう大事なことを決めたかったって思うのは、我儘なのかなぁ。
でも、だからって、勝手に何もかも決められちゃったら、隼はただ結婚相手が欲しかっただけなんじゃないの? ってどこかで思っちゃう自分が居るのも確かで。
ーーだからこそ、ちゃんと言ってほしかった。
結局は、可愛げのない自分に自信を持てないでいる自分自身の気持ちの問題なんだけれど。
「……でも、やっぱり、一言でいいから言ってほしかったなぁ」
すっかり酔いが回ってしまった私は力なくカウンターに突っ伏して、誰に言うでもなく呟きを零してしまっていた。
「もう、呑まない方がいいんじゃないかなぁ? 隼は嫌だろうから、蔵本でも呼ぼうか?」
「えぇ? どっちも嫌ですッ」
「あららぁ、困っちゃったなぁ……」
ほとほと困ったというような藤木さんの声が降ってきて。
これ以上迷惑かけられないなと思いつつも、やっぱり素直になれない私は、酔いも手伝って、うだうだしてばかりいた。
そんな時、どっからともなく結城君の声がして。
「あれ? 高梨さん。どうしたの?」