鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
あれからすぐ、隼に全てを委ねた私のことをヒョイとお姫様抱っこした隼によって寝室まで運ばれて。
私は現在、大きなキングサイズのベッドの上に寝かされている。
そのベッドの淵に腰かけている隼は、私が託した箱を開封し、中を覗きこんでいる訳なのだが……。
膝の上に乗っけた箱を凝視したまま何故か隼は困惑したように甘いマスクを歪ませて、眉間に深い皺まで刻んでしまっている。
そして、開口一番放たれたのが、
「……侑李さん、《《これは》》なんですか?」
隼が浮かべている表情同様の困惑気味なこの言葉だった。
ネットで手当たり次第目についたものを購入したもんだから、隼が一体何を指しているのか皆目見当がつかない。
何のことだろう? と起き上がった私が視線を向ければ、隼の手には真っ黒な革で作られたムチが握られていて。
その手が心なしか震えているように見える。
私もサイトの画像では見たものの、まだ中を確認してなかったので、実物を見るのは初めてだった。なものだから、覚悟していたというのに、実物を前に、私は思わず息を呑んでしまっていた。
が、買ったのは私だし、隼に散々偉そうなことを言った手前、今更怖気づいたなんてことを気取られる訳にもいかず。
「何って、ムチじゃない。見ればわかるでしょ?」
至って平静に返したのだけれど、隼から意外な言葉が返ってくるのだった。
「いや、それは分かるんですが……。侑李さん、僕、確かにサドですけど、女性をムチで打って痛めつけるような趣味はないんですが」