鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
手首には、ネクタイとは違って無機質な冷たい感触があって。
動くたびに、それが肌に食い込んで、金属の触れ合う音がカチャカチャと響いている。
視界を奪われているせいだろうか、聴覚が研ぎ澄まされて、それらの音がやけに大きく感じられる。
不意に、しっかりと腕で包み込んでいてくれた隼のぬくもりが私の身体から離れていく気配がして。
ーー途端に心細くなってきた。
おそらく膝に置いたままだった箱をベッド傍のサイドボードにでも移動させているんだろう。
そんな僅かな時間、隼のぬくもりが感じられないだけで、心細くて堪らなくなる。
目隠しされて拘束されているせいか、なんだか妙な緊張感のようなものにまで襲われて、胸がざわざわと騒ぎ始めた。
ちょうどその時、手の甲にそうっと隼の手が優しく触れる感触がすると同時に、抱き寄せられ、隼のぬくもりが戻ってきて。
ホッとする間もなく、ぎゅうっと強く抱きすくめられた。
たちまち緊張感が解れて、頬が緩んでいくのが自分でもわかる。