鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
隼の呟きは拾えなかったものの、何か聞こえた気がして。
「ーー今、なにか言わなかった?」
思わず放った私の問いかけに、ハッとした表情を見せた隼。
一瞬、何かに怯えているようにも見え、気にかかったものの。それは。
「……か、彼女のこともですけど、確かに、僕には数多のセフレがいました。これからも、そのことで侑李さんに嫌な想いをさせてしまうかもしれません。考えたくもないですけど、もしかしたら、彼女にも何か言われたり、何かされたりすることがあるかもしれません」
隼の言葉が指すように、円城寺さんのことや元セフレのことで私が嫌な目に遭うことを恐れてのことだろうと思い込んでしまうのだった。だから続けて。
「それでも、僕は侑李さんと一緒に居たいです。僕がちゃんと侑李さんのことを守りますから、これからも僕の傍に居てくれますか?」
えらく不安そうに、泣きそうな表情を湛えた隼に、表情同様の不安気な声で問いかけられてしまっては。
ーーたとえどんなことがあろうと、隼のことを受け入れる気持ちに変わりはないし。隼が私のことを好きでいてくれるのなら、なんだって乗り越えられる。
ましてや隼のせいでもないのだから、そんなの考えるまでもない。
「そうやってまたひとりで不安になる。でも隼のそういう、弱いところを曝け出してくれるとこ嫌いじゃないよ? むしろ好き。だからこれからもずっと隼の傍に居てあげる」
私はいつものように上から目線な口調で即答していて。
「ありがとうございます」
それに心底ホッと安堵した様子の隼が浮かべた微笑みに私も安堵し、すぐに同じように微笑んで見せた。