鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 けれどもこの期に及んで往生際の悪い私は、何か逃れる術はないかと頭をフル回転させながら、

「……ど、どういう意味ですか?」

あまりにも不利なこの状況下、思わずゴクリと喉を鳴らしてしまった私が負けじと声を出してみるも。

 相変わらずニヤリとした怪しい微笑を湛えたままの鬼畜がベッドから立ち上がって、私に向き合いながら、

「どういう意味も何も、聡明な侑李さんなら、もうお分かりなんじゃないですか? だからそんなに怯えた表情をしているのでしょう?」

そんなことを言いつつ、ベッドの上に片膝をついてくると、私の顎を指でとらえてグイと上向かせた。

 そうして、これ以上怯えないようにグッと唇を強く噛み締めて鬼畜のことを睨み上げている私に向けて、小バカにでもするようにフッと鼻を鳴らしてから、

「いいですねぇ? あなたのような気の強い女性の、その、反抗的な眼差し。ゾクゾクします。ますます気に入りました。じゃぁ、始めましょうか? ご安心ください。僕は少々他人には理解され難い性癖を持ってはいますが、乱暴なことは決して致しませんから。ただ、侑李さんが望むことだけをして差し上げますので。まずは、身に着けているモノをすべて脱いでください」

なにやら意味の分からない、不可解極まりないことをほざきながら、物腰柔らかなあの優しい甘い声音で屈辱的なことを言ってくると。

 私の顎を解放して、自分の顎をしゃくって、『さぁ、早く』というように、先を促してきた。
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