鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
そのあんまりな鬼畜の傍若無人な態度に、カチンと頭にきてしまった私が思わず、
「なんでそんなことしないといけないんですかっ? イヤですッ!」
拒絶した言葉は、
「『なんで』って、面白いことを言いますねぇ……。分かっていただけてると思いますが、今後のためにもハッキリさせておきましょう。これは業務命令です。『雇用主』である僕の命令に、『従業員』である侑李さんには、従っていただかないと困ります。
それとも、僕との『雇用契約』を白紙にして、あのガラの悪い輩の知り合いの店とかいういかがわしい店で身を粉にして働くおつもりですか?
そんなことをしたら、侑磨さんは騙された自分を責めて、身投げでもしかねないんじゃないですか? 優しい妹想いの方ですからねぇ。それでもいいのでしたら、どうぞお好きにしてください。僕はどちらでも構いませんので」
鬼畜のこの言葉によって、どう足掻いたって抗うことのできない現実を突きつけられてしまった私は、一瞬でねじ伏せられてしまうのだった。
確かに、鬼畜の言うように、優しい兄のことだ。私がそんなところで働くことになったら、入院している父や亡くなった母に顔向けできないと自分を責めるに違いない。
なにが『僕はどちらでも構いませんので』よ。
ーー私が『雇用契約』を白紙にできないって分かってて、言ってるクセに!